あなたの人生で、主人公は誰ですか?
「ながいながいペンギンの話」というお話がありました。
子供のペンギン、ルルとぺぺが冒険をするお話です。
まだ5歳の頃、絵本しか知らなかった私は
「こんな長いお話があるなんて!」とびっくりしたのを覚えています。
小学生の高学年になって、再び図書館でその本と出会ったときは
「長いと思ってたのに、こんな短いお話だったんだ!」
と逆に驚いたのも覚えています。
幼稚園の発表会で、そのお話のお芝居をしました。
私はその他大勢の、子供ペンギン。
セリフは一つもありません。
おまけに風邪をひいて
みんなのお芝居を舞台の袖から見ているだけでした。
その後も、発表会があるたびに
私はその他大勢でした。
主役になる子たちは、元気で華やかで
私から見ると別世界の子達に見えました。
みんながキラキラして見えた。
私は地味でいつも目立たない、そういう人間なんだと思っていた。
ううん、自分でそう決めていたんだと
今ではわかります。
ずーっと、その他大勢の人生。
私の人生という舞台の上で、主人公は行方不明でした。
つづく