無題

福島の地震の時
全くテレビが見れなかった。

見れなかったというより
無意識に、一切見ないようにしていた。
全く無意識に。

部屋に毎日、欠かさず花を置いていた
一輪だけ、お花屋さんで買って

なんでそんなことしているのかも
感じないようにしていたみたい。

一度だけ、なんとなくテレビをつけて
津波のニュースが流れてきたときも
何も感じずに黙って消した。

今、こうして書いていると
涙が出そうになる。


そうなんだ
私、あのとき、本当はとても悲しかった。
感じないように
全部の感覚を閉じていた。

ずっと後に、ある人の前で感情が決壊して
泣きながら叫んだことがあった。


お願いだから、みんなを助けて。
お願いします!
お願いします!って、悲鳴みたいに号泣が止まらなかった。


辛すぎるとき、
何も感じなくすることで
やり過ごして生きてきた。

辛かったのは、自分が無力だって思ってたから。
何にもできない。
無力。



今また、大きな台風の影響で
いろんなところが大変な状態になっている。

やっぱり私はニュースを見ない。
関東の友達が大変なのも、最近知った。
気づかずにいて、ごめんねって思った。

でも、今度は見ない意味が違う。
見ないでいる理由が自分でわかる。

私は私の大切な人たち、みんなと幸せでいたい。
それは奥底で強く願っていることで
だから私にはやることがある。
私にできることがはっきりしている。

それを淡々とやっている。

怒りや悲しみの感情が力になる。

機関車が走る燃料みたいに
私のお腹の奥で燃えているのがわかる。

昔は悲しみや怒りを感じるの、苦手だったけど
今は安心して、それを感じることができるようになった。

みんなでやるんだ。
離れていても、喧嘩しても大丈夫。

それを祈りやエネルギーに変えて
自分が見たい世界を作っていく。

みんながみんなの幸せのために
それぞれの場所で、やり方で、やっている。

1日、1日が大切。
私は地球が大好きなんだな。

くんくんが育てたミニ薔薇。職場のゴミ箱の小枝に、花が咲いたよ。


今、このブログを読み返してみてわかった。
私の中に、まだ悲しみのカケラがあった。
だから夫に喧嘩をふっかけて
カケラを怒りに変えて、燃料に変えた。
捨て切れなかった古い物を捨てる力にしたんだ。

これでいいんだな。
16と6、サンダーボルトと恋人のカード。
愛と嵐。

喜びも悲しみも怒りも愛も
湧いてくる感情が現実を創る燃料になる。

私たちは肉体っていう乗り物を
感情っていう燃料で動かしている。
知性がそれをコントロールしている。

それを少し離れて見ている
私の意識と
大いなる温かな眼差し。