赤ちゃんインコはだんだん、自分でエサも食べられるようになりました。
羽も生え揃い、尾っぽも長くなってきたので、ケースから鳥カゴに移すと上手に止まり木に止まっています。
そんなある朝、きりちゃんがおかしな鳴き声を発しました。
いつもの高めの、ピュルルルとか、ピィとかいう声よりもっと低い声で、
「ギリチョン」「ギリチョン」
と繰り返しています。
あらぁ、変な声。どうしたんだろう?
そして、午後からは
「ギリチョン、ジューチュキ、ギリチョン、ジューチュキ」
と鳴くようになったのです。
「なんだろう、可愛くない鳴き声だなぁ」
でも、一所懸命聞いていると、
「あ! わかった! きりちゃん、だーいすき、って言ってるんやね!」
私が毎日言っている言葉を、きりちゃんは真似をし始めたのでした。
セキセイインコ、特に男の子はおしゃべり好きで言葉を覚える子が多いのです。
この奇妙なフレーズは、次の日には
「キリチョン、ジュワィスキ」となり、
また次の日には、はっきりわかる日本語で
「きりちゃん、だーいすき!」と言えるようになりました。