リシケシで宿泊していたのは、シバナンダアシュラムという流派のヨガのゲストハウスでした。
洗面所のバケツと手おけを使って朝一番に洗濯をし、そのあと、歩いて5分ほどのカフェに朝ごはんを食べに行くというのが、遠出をしない日のおきまりのコースになっていました。
インドに着いて三日目の朝、不思議なことがありました。
いつものように洗面所でTシャツやブラウス、タオルなどを洗濯し、ビショビショになった洗面台の上を、持ってきた雑巾代わりのハンドタオルできれいに拭き取ってから、干しに行きました。
そしてバケツを片付けに洗面所に戻った時、何かが目に入り、ハッとしました。
さっきはなかったものが洗面台の上にあるのです。
それは2つに折りたたんだ、ハガキでした。
洗面ボールの右側の石でできたスペースの真ん中に、まるでメッセージカードのようにきちんと置かれています。
なんでこんなものが?
数分前まで、なかったのに?!
手に取ってみると、それは夫宛に送られたお酒屋さんからの案内のハガキでした。でもなぜ、そんなものがここに?
普通に考えたら、カバンの中に紛れ込んでいて、何かの拍子にそこに落ちたのでは?ということがあるかもしれません。
でも、荷物は最大限軽くするために、ガイドブックのいらないところは切り取ったり、これでもかというくらい、余分なものはメモ用紙一枚入れないようにしていたので、日本からそんなものを持ってきたはずがない。
それに、そのお酒屋さんはもう数年前にお店を辞めて今はないし、そんなハガキが家に保存してあったとも思えません。
洗面所入り口のすぐ横ですが、部屋には鍵をかけていて、誰も入ることはできません。
一体どういうこと??